<セットリスト>
・Silent Hill
・EDENA88
・Install
・五右衛門
・ヤマネコア
・六三四

ありがたいことに昔に比べ、東京に宿泊する機会が増えた。
宿泊できる機会と言ってもいい。
そんな時によく泊まるのが巣鴨である。

みんなによく言われるのが「なんで巣鴨?」ということ。
なぜ不思議に思われるのかも分からないがなぜ巣鴨を選んだか。
ADAM atのレコーディングは高田馬場が多い。
そしてレコーディングは大抵1週間通して行われたりする。
浜松在住の私は毎回浜松に帰るわけにもいかないので、都内に宿泊するのだが、できればスタジオの近くに泊まりたい。
なぜなら朝早く、夜遅いからだ。
レコーディングが終わってまた1時間以上かけてホテルに戻るというのが体力的にも時間的にも辛い。
となると高田馬場に泊まればいいのだが、高田馬場のホテルは少ないしやや高いのだ。
経費は抑えたい。
では馬場から山手線に乗り新宿か大久保は?
うむ、怖いのだ。
数々のキャッチに声をかけられ、ネオンがきらびやかに輝き、夜空の星すら見えない。

では反対方向の池袋は?
これも怖いのだ。
なんだ、この黒服の多さは。
なんだ、この明るさは。

池袋の隣の大塚は?
あっ。ちょっといいかも。
でもなんでこんなに何度も同じ外国人に「マッサージ、マッサージ」と声をかけられなければいけないのだ。

そしてたどり着いた巣鴨。
夜22時の巣鴨。
商店街が暗い。
なんて落ち着くんだ。

キャッチもほとんどいない。
ラブホテルはあるが大した問題ではない。
そんなに俗な匂いがしない気がする。
それもそうだ、高齢者が多いんだ、ここは。

駐車場も安い。
ウィークリーのホテルも安い。
山手沿線。
治安も良い。
ビバ巣鴨。

よく通う居酒屋もできた。
「たまちゃん」と呼んでくれるお店もできた。
隠れた名店も見つけた。
たまにメンバーを案内できるくらいにもなった。

長くなったが、そんなよく泊まっている巣鴨の近く、王子は飛鳥山公園でのライブだった。
なんて勝手に地元感。

打ち上げはやはり巣鴨だった。
そして24時にはしっかり暗かった。

「旅は私にとって、精神の若返りの泉である」とアンデルセンはいっていた。

おじいさん、おばあさんの原宿こと巣鴨。
ここは私のような歳でも若輩者でいられる、精神的若返りの街である気がする。